茅原実里・水樹奈々・チューリップライブDVD聴きくらべ
2008-07-01


どうにも音の鈍いみのりんのライブDVDをそこそこ鳴らすには、手元の環境ではどうすればいいか考えてみた結果、AKGの密閉型モニターヘッドフォンを使うことを思い立ちました。
試してみると、ごちゃっと団子気味だった音がきれいに分離され、ボーカルはボーカル、ドラムはドラムとちゃんと音が立つようになりました。
その代わり、ライブらしい空気感は薬にしたくともありませんが。

アンプは親父の手作りの真空管ですが、先日聞いたところによると回路は最新の技術が反映されたものだそうです。
ローテクとハイテクの融合といったところでしょうか。
非常に解像度が良く、Perfumeなんかを気持ち良く鳴らしてくれます。

DVDプレイヤー パイオニアDV-545
アンプ 親父の手作り真空管ヘッドフォンアンプ
ヘッドフォン AKG-K271

以下はこの布陣を前提として、目下僕のヘビロテとなっているライブDVD3枚を音と声の体力という切り口で比較してみようと思います。

☆Minori Chihara 1st Live Tour 2008 〜Contact〜(ランティス)

何も考えないで録音して、何も考えないでミックスダウンしてるなあ、というのが正直な感想です。
よく言えばライブの音ありのままなのかもしれませんが、一つ一つの音がケンカしあっている状態というのは、部屋で聴くには辛いものがあります。
DVDとして売り出す以上は、何を聴かせたいのかという主張を持った音作りをしてもらいたいと思います。

音質としては、ハイ上がり気味です。
特にキーボードとみのりんの高音が金属的なのが悔やまれます。
(その割にシンバルが弱いのは、マイクがちゃんと捉えていないのでしょう)

解像度が高いシステムで、ボーカルが裸になった状態で聴くと、みのりんの声の体力はまだまだであることが分かります。
張本が解説をすると二言目には「走り込みが足りない」になってしまいますが、ことライブでの声の体力については歌い込むしかないと思います。
とはいえ、初めてのライブで、これだけ難易度の高い歌の数々を歌いきるんですから体力的な面でもポテンシャルは十分だと思います。
ライブを重ねるごとに進化していくであろうことが容易に想像がつくので、今のうちから空恐ろしい気がします。

○NANA MIZUKI LIVE FORMULA @SAITAMA SUPER ARENA(キングレコード)

こちらは奈々さんの声を前面に押し出しているのがよく分かります。
バックバンドの音はきれいに整えられ、かつ奈々さんの声を邪魔しないようにお行儀良くやや引き気味に配置されており、奈々さんの声が映えるような音作りが丁寧にされています。
ライブ盤の音作りとして、一つのあるべき姿だと思います。

奈々さんの声の強さは抜群ですね。
どんなにテンポが速くても、どんな高音でも全く声がぶれない。
これ見よがし(ではないのでしょうが)にファルセットも多用し、とにかく歌いまくる。
ちょうど同じ年頃の、3日にいっぺんの勘定でライブをやっていた頃の財津さんの歌いっぷりを彷彿とさせます。
これで専業の歌手でないのですから驚く他ありません。

○Live Act Tulip 2007-2008〜run〜(ビクター)

こちらはバンドのライブということで、言うなればみんなが主役の音作りがされています。
ボーカルと各楽器が、主張しながらも対立することなく、非常にバランスが良く全ての音が鳴ります。
録音そのものも大変優秀で、シンバルやピアノの高音などは前2盤をはるかに上回ります。
非常に残念ながら、声優と大御所アーティストの違いを見せつけられる思いです。

声の元気の良さはともかく、パフォーマンスの安定感は抜群です。
ブレスがきつくなるとかそういうこととは全くの無縁。
どんなに難しい歌でも力こぶを作らずにさらりと歌ってしまうあたりは、やはり鍛え方が違うといったところなのでしょう。


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