【宝塚】宙組公演「風と共に去りぬ」(キャスト:Bパターン)
2013-12-04


ポスターを見たときからりか(鳳稀かなめ)のバトラーには期待できると思っていたのですが、果たして期待以上でした。
メイクや髭などディテールまでこだわった見た目は全くの文句なし。
苦み走った表情なども、今までのりかにはない一面でした。
お芝居の面でも、他の役にはないむき出しの男の色気、何のけれんもなく嫉妬をあらわにする弱さ、風前の灯火の南部のために立ち上がる強さ、その全てが全身からあふれていて、「りかのバトラー」が出来上がっていました。

一方のかい(七海ひろき)のスカーレットは、見た目は気の強い、僕がイメージするスカーレットなのですが、お芝居の面では少し違和感を感じました。
何というか、少し頭の軽い、ギャルっぽいスカーレットで、往年の一路真輝の情熱的なスカーレットが今でも印象に残っている身としては、はてスカーレットはこんなだっただろうか、と正直思いました。
ただ、見ているうちにこういうアプローチもありかもしれないな、と思うようになったので、個人的には嫌いではありません。
ただ好き嫌いは別れるかもしれないなあ、という印象。

僕はアシュレが嫌いなんですが、まーくん(朝夏まなと)のアシュレはちょっと女々しいけどギリ許せるレベルでした。
お坊っちゃん然とした風貌は完璧なので、もうちょっと不甲斐なさがあっても良かったような気がします。
今公演がサヨナラになるともちん(悠未ひろ)はルネ役ということで、そんなに大きな出番があるわけではないのでAパターンでのアシュレに期待したいところ。

個人的にすごいと思ったのがきたろう(緒月遠麻)のベル・ワトリング。
得も言われぬ色気があって、登場するだけで視線を奪われます。
雪組時代に演じたティボルトもそうでしたが、きたろうは正統派二枚目というわけではないけれども匂い立つような色気があり、しかも存在感のあるお芝居をするので、いつも自然と注目をすることになります。

娘役では、やはりみりおん(実咲凛音)のメラニーが素晴らしかったです。
優しいけれども芯が強く、聖母のごとき女性ですが、まさにそんな理想の女性像を見事に演じていました。

高校生のときに見た折には「しんどい話だなあ」という身も蓋もない感想しかなかったんですが、大人になってみると共感するところが多く、人気の演目であることも頷けます。
まーくんのスカーレットがどんな感じなのか、次回観劇は楽日直前なのですが、今から楽しみです。
[宝塚]

コメント(全3件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット