阿佐田哲也『黄金の腕』
2009-04-26


明日(って日付で言や今日ですね)はマイミクさん宅にお邪魔して麻雀を打つ日。
ここは一発テンションを上げていかねばなるまいと思い、近所の本屋で阿佐田哲也の小説を買ってきました。
(ここで『咲』の原作を買ってこないあたりが、僕がここにいる理由www)

ホントは『麻雀放浪記』が一番テンション上がるんですが、さすがに長いし、実家にあるものをまた買うのも躊躇われたので、本屋にたまたまあった『黄金の腕』を手に取った次第。

短編集でして、タイトルを挙げると

黄金の腕
未完成大三元
北国麻雀急行
国士無双のあがりかた
大三元の家
人生は五十五から
前科十六犯
夢ぼん

とまあ、タイトルからして魅力的。
後半三本は麻雀小説ではないんですが(最後の二本は色川武大名義)、この人は本当に小説が上手いなあ、と舌を巻きました。

何も事件が起こらない話を書くというのは大変な技倆がいります。
やくざものの哀愁を、特に派手なエピソードを交えるでもなく、セピア色の写真のような筆致で描く手腕にはほれぼれとします。

とはいえ、やはり一番ワクワクしたのは「国士無双のあがりかた」。
実話かどうかは分かりませんが、作者とプロ雀士二名が、地方のイベントで対局をしたときの話。
あとのもう一名が、半チャンに二回三回と国士を上がるという触れ込みのシロウトで、作者を含めた三人が、プロの面子にかけて国士を上がらせないようにする、という筋書きです。

「麻雀放浪記」のような火の出るような熱い勝負ではありませんが、麻雀の奥深さをまざまざと見せつけてくれます。
ラスト、作者がイーピンで国士をツモるも・・・というところ、どんでん返しであっと言わせてくれます。

いやあ、イイ感じにハートが温まりましたよ。
僕がのっけから中張牌をベタ切りしだしたら、冷笑してやってくださいwww。
[読書]

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